自己啓発本から学んだこと その2 モーパッサンの短編 ”ひも” の中にある幸せ
amebloから転載
モーパッサンの短編”ひも”あらすじ。
村に爺さんがいて広場でひもを拾った。
同じころ、村長が財布を落とした。
仲の悪い爺さんがチクった。
財布が出てきたが、疑いはさらに深まった。
爺さんは死ぬ間際までポケットからひもを出して、俺は無実だったんだって言っていた。
啓発本では以下のように教えていた。
ひもを握りしめていたばかりに、ましな選択肢をつかむ機会を逃した。
くだらない紐なんか早く捨てた方がいい。
爺さんが拾ったひもを捨てなかった理由を私なりに考えてみた。
ひもは爺さんにとって生き甲斐だったのではないか?
ひもは人との会話の糸口になった。ひもを人に見せ、身の潔白を訴え続けたまま、充実した人生を終えた。
大事な証拠であるひもを捨ててしまったら、無為な余生を送るしかない。
捨てるには、あまりにも惜しい。
一生手放したくないこのひものような宝物を、私は持っているだろうか?
作家は不運な選択が幸福となり得る事をこの短編で示そうとした。
という私の解釈も、モーパッサン的かもしれない。